経営にビジョンを、そして感動を

感動経営 | Emotional Management

Work Life Balance < Work as Life

厚生労働省の発表によると、2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳で世界2位※、女性が87.74歳で世界1位※(※WHO加盟48か国中)とのことで長寿国であり超高齢国家と言えるようになりました。50年前と比較すると男女ともに約10年寿命が延びているそうです。
まさに”人生100年時代”。しかし、国家全体で寿命が延びれば社会保障の課題も大きくなり、ひと昔の前の定年退職後の老後生活はすでに幻想となりつつあります。
政府も個人投資の税制を緩和したり、多様な働き方を奨励したりと、「老後は自分でなんとかしなさい」というメッセージを暗に発しているかのようですね。

そう。私たちは、この長い人生を生き抜くために多くの時間を仕事に費やし、生活の糧を得て行かねばならなくなりました。

筑波大学准教授の落合陽一氏は、現代はもはや、Work Life Balance(仕事と私生活の調和)ではなく、Work as Life(生きる様に働く)という時代に突入していると言っていますが、とても的を射た表現のように思います。

こういう時代ですから、働く側はより一層、働きやすい環境を求めて労働力はますます流動化するでしょう。すでにその兆しは見えていますし、企業も副業を容認したり、労働条件や雇用契約形態を柔軟にしていますね。

「3人のレンガ職人」イソップ童話より

イソップ物語に「3人のレンガ職人」というお話があります。

ーーーーー中世ヨーロッパのある街。
旅人がその街を歩いていると、レンガを運んでは積み上げている職人を目にします。

「何をしているのですか?」と訊いてみると、その職人は手を止めずに、
「レンガを積んでいるんだよ」と不機嫌そうに答えます。

旅人はしばらくその作業を見守っていましたが、同じようにレンガを積んでいる別の職人を見つけ尋ねます。

「あなたは何をしているのですか?」と。するとその職人もやはり手を止めることなく、
「壁を作っているんだ。今日中に終わらせないと。」と答えるのです。

するとそこにはもうひとり、3人目のレンガ職人がいました。旅人は彼にも同じ質問をしました。
3人目の職人は、こう答えたのです。

「この街の人たちが安心して祈りをささげる事が出来る教会を建てているのさ」-------

もし、あなたがこの街の住人だとしたら、この3人の誰に教会を建ててもらいたいですか?

仕事には意味が必要です。
働き方が多様化する事もいいでしょう。多くの仕事を掛け持つことも悪くはありません。

しかし、経営においては、顧客を喜ばせ満足させることが目的です。
そこに賛同できて、かつ、その営みの中で働くことに喜びや価値を見出してもらうこと。
これこそが会社と従業員の健全なる関係であり、Win-Winとなり互いに多くの価値を生み出す秘訣ではないでしょうか。

ビジョンを描いた航海図を(ビジョン・マップ)

経営にはビジョンが必要です。
その組織の存在の意義、大義は何か?掲げたその旗にどれだけの人が賛同するのか。
ただお金を儲けるのではなく、そこで働く従業員ひとりひとりがどのような価値を生み出し、どう世の中に貢献するのか?

まずは、そのビジョンを描きましょう。
そして、そのビジョンに向う中で、共に働くメンバーが感動するような経験をどれだけ生み出せるか。

そのビジョンに到達する為の、様々な方法やルールを航海図にプロットしていきましょう。

これは”ビジョン・マップ”です。即ち経営の航海図。

❶VISION :ビジョン目指すべき将来像。その会社や組織は世の中にどのような貢献をしているか

❷MISSION:ミッション。ビジョン実現に向かうために何を大切にするか。経営の指針となるもの。

❸VALUE:バリュー。全員が共有するべき価値観。メンバーが互いに尊重すべき基本ルール。

❹ACHIEVE:目標、マイルストーン。ビジョン実現のへステップとなりクリアすべき指標。

❺TRUST:信頼のガイドライン。共に働くメンバー同士が相乗効果を発揮する為の約束事。

❻CRATE:価値創造と人材育成。ビジョン実現へ向かう過程でどのような価値や人材を生み出すか。

本ブログでは、このビジョン・マップを創るための、そして、このビジョン・マップに従って経営を行う上での様々な事例や物語を紹介して参ります。

会社づくりや組織づくりのヒントになれば幸いです。

尚、本ビジョン・マップは、拙書
「会社を潰さないためのSunday Management List -中小企業のリーダーがやるべき日曜日のマネジメントリスト」https://www.amazon.co.jp/dp/4867280283/

でも引用しています。
詳しくはこちらをhttps://sun-light-consulting.com/publishing