「カッツの理論」とマネジメント

組織開発 | No more Consulting

マネジメントってなんだ?

研修やコンサルティングの仕事をしていて直面する課題である”マネジメント”。
組織経営において、多くの場面でマネジメントが求められ、その機能を高める必要性に迫られ、外部の研修会社やコンサルティング会社が活用されます。研修会社は、教育の一部を委託されているだけだと思われるでしょうし、実際に提供しているサービスはその通りですが、組織マネジメントが機能していていれば、そもそも、研修やコンサルなんて必要ないのです。

また、一部分の機能不全を外部に委託して修理しても、マネジメントの全体の流れの中にあるボトルネックを明らかにしなければ、まるで古くなった配管の穴をふさいでも、また別の箇所から水漏れが起こるように、次から次へと機能不全はおこるでしょう。

そもそもマネジメントが何かを定義することなしに、マネジメントの機能を高めることは困難です。目についた問題だけに処方しても、部分最適は全体最適に勝ることはありません。

「カッツの理論」

マネジメントをわかりすい形で示してくれているのが、ハーバード大学のロバート・カッツ教授の「カッツ・モデル」。
カッツ教授は、組織内の階層ごとに必要とされるマネジメント・スキルを示しており、組織人の成長と職位に応じて、そのマネジメント・スキルのウェイトが変化することを提唱しています。

1.テクニカル・スキル(業務遂行能力)

職務を遂行する上で、幅広い人材が備えるべきスキルが、テクニカル・スキルです。汎用的なものから専門領域にいたるまで、業界業種、そして職種によって実に多種多様なスキルが日々の業務で駆使されています。個人の能力の差はあれども、仕事を通じて段階的に、経験的に身につけることが可能なスキルです。

2.ヒューマン・スキル(対人関係能力)

社内のメンバーと良い人間関係を構築、維持するスキルであり、対顧客との関係にも必要な力です。目に見えない内的な資質のように捉えられがちですですが、テクニカル・スキルであるコミュニケーション・スキルと相まることで、業務の生産性向上やチームメンバーとの相乗効果の源泉となる非常に重要なスキルです。リーダーシップやマネジメントの土台とも言えます。

3.コンセプチュアル・スキル(概念化能力)

全体を俯瞰する視野を持ち、未来と現在における課題を発見し解決する為に必要な能力です。目の前の現実を超えたところで、問題を発見したり予見することと、未来のイメージに近づけていく為に、現在との調整を図るノウハウを企画構築していく能力であり、豊富な知識、経験と飽くなき学習意欲によって磨かれます。

マネジメント・ボトルネックを発見せよ

組織において、マネジメントの課題を発見するには、この「カッツ・モデル」で言う所の「コンセプチュアル・スキル」が必要です。

”社長に人材教育を任せてはいけない” ”人事に人材教育を任せてはいけない”

私は、教育会社で研修やコンサルの仕事を通じて、様々な企業の支援をさせて頂いておりますが、人材教育には、中長期的な視点と短期的な視点が必要です。つまり、将来に渡って必要な資質と能力を育むこと、現在の利益を生み出すこと、それは、まさに「コンセプチュアル・スキル」と「テクニカル・スキル」の合わせ技です。
そのことを忘れて、「社長が或いは人事が採用責任者である」、「社長が或いは人事が教育プランを考える」という分業体制を強め過ぎるあまり、採用や教育がうまく行かないというケースをよく目にします。
この「カッツ・モデル」に実際のマネジメント課題をプロットしてみました。

いかがでしょうか?

各スキルにおける現在の組織のマネジメント課題(ボトルネック)はどこにあるでしょうか?このようにしてマネジメントが必要な場面で、できるだけ具体的な課題として見てみると、必要な教育の種類と優先順位が発見しやすいのではないかと思います。

目指すべきは、”No More Consulting (コンサルタントなんていらない!)”組織です。

本ブログでは、組織マネジメントの課題を様々なフレームワークを引用しながら紹介していきます。高い費用をかけて研修やコンサルを依頼する前に、是非参考にしていただければ。