経営計画書は経営者が作るもの
期末が近づいてくると、経営幹部や管理職が何度も集まって会議を繰り返す光景を良く目にし、耳にします。
私自身も、かつては管理職として何度も、そういう場に召集されました。しかし、多くの部門管理者の頭の中にあるのは、「未来に向けての前向きな計画立案にぜひ参加してやろう!」というものではなく「重たい予算は持ちたくないなぁ…なんとか自部門の予算は軽くしたい…」という思考が多いものです。賢い管理職であれば、そのために多くの理論武装を持参して会議に臨むものです。
問題はそれでよい計画が作れるのか!?ということです。お互いがお互いの負担具合を減らしたいと思って牽制するばかりの会議に意味なんてあるわけないのです。
それなのに、多くの時間と費用をかけて管理者に理解と自制と、そして前向きかつ革新性のあるアイデアを求めようと忍耐を重ねておられる経営者のなんと多いことか…。
経営計画書は会社の運営方法そのものです。多くのステークホルダーへのコミットを果たすべき経営者の考えが一番優先されるべきであり、その基本デザインは経営者が行うべきです。
管理職は、その実現のために、自部門のもつ資源をどのように活用するべきかを考えるだけでよいのです。
経営計画書の基本デザイン
この図は、中期経営計画書の基本的なレイアウトです。左から…
①まず中期的なビジョンを描きましょう。
「3~5年後会社はどの領域でそのような価値を提供しているべきか」を明確な指針にします。
②そして外部環境と内部組織の分析(SWOT)を行い、
③マーケットのニーズ(あるいはシーズ)に対して、自社の持ちうる資源で戦える「事業領域」を決めます。ITへの知識や設備がないのに、システム開発の領域では戦えませんから資源活用が重要です。
④どこを戦略的なターゲットにするかを選択します。持てる強みやチャネルによって、どのマーケット、どういった顧客層を狙うか?エリアは?客層は?ニーズは?
⑤「基本戦略」は効果的かつ効率的に利益を生み出すために、どこに(Where)何を(what)どうやって(how)を決めます。
⑥組織の持つ機能(プロモーション、商品仕入、営業、技術、システムなど)を戦略に従って、どう動かすべきかを決めます。
⑦各部門の販売力の最大化やそのための適材適所計画に落としこみます。
…このように、最終的には現場管理者は、⑦の部門計画を具体化することに集中すべきです。(もちろんその事情がボトムアップで基本戦略にフィードバックされることもありますが、それは、だいたいにおいて期中の報連相で分かっていることでしょう)
経営計画のひな形に従ってブレストしてみる
期末を迎えて経営計画の立案やその進め方に悩んでおられるなら、一度このひな形に従って、経営者ご自身あるいは経営陣で一度付箋などを使ってアイデアだしをなさってみてはいかがでしょうか?
もしご要望があれば、このひな形を差し上げます。(PDFファイル)
必要なら、こちらお問い合わせからどうぞ。https://sun-light-consulting.com/contact
次回は「経営計画をつくろう②」と題して、戦略と戦術についてご紹介します。